ポーカー無宿406「大学時代の悪友からの連絡」

 

「よう、元気!?

俺、近々会社を離れる予定で、

一回君のところ遊びに行こうと思ってるんだけど、いい?」

 

突然、こんなメールが届きました。

相手は大学時代に一番仲が良かった友達、雄大でした。

 

彼と会ったのは、大学3年生の頃。

当時の僕は、パチンコやスロット、麻雀ばかりやっていて。

熱中はしているものの、自堕落な生活を送っていた頃。

 

ある日のこと、

実家から下宿先へ荷物が届きました。

ずっしりと重たいダンボール。

 

とりあえずそれを受け取って、いつものように新宿のスロット屋へ出かけることに。

新宿東口の『パチスロ悟空』だったかな?

換金率は悪いが(7枚交換)、高設定が沢山入っていたので当時はよく通っていた場所でした。

 

その日は鳴かず飛ばずで、

途中に多少盛り返したものの、

終わってみればちょうど2万円の負け。

 

電車に揺られて下宿へ帰り、

玄関のドアを開けると、ダンボールが目に入りました。

 

ああ、

そういえば実家から何か届いていたな。

うちの実家は兼業だが米農家をやっているので、定期的にお米を送ってくれます。

ダンボールを開けてみると、

乾物やレトルトなど多少の食材と一緒に、やはりお米が入っていました。

 

中身を取り出すと、

ダンボールの底に一通の封筒が。

 

中には、

意外なことに祖母からの手紙が入っていたのです。

手紙を広げると、

「元気にやっているか」「健康に気を付けなさいよ」といったような孫を気遣った内容。

可愛いことに、祖母の似顔絵まで添えてありました。

 

手紙の最期の一文には、

「何かの足しに使って下さい」と。

 

ん?と思い、

封筒の中身を再確認すると、手紙の他に2万円が入っていました。

 

2万円か、、、。

 

それは、

ちょうど今日パチスロで消えた金額と同額だったのです。

 

その時、

「このままじゃアカンのやろな~」と直感的に思いました。

 

パチスロやスロットに期待値がないわけじゃない。

麻雀の熱中の先に未来が無いわけでもない。

 

でも、

もっと自分の心と向き合えるものと時間を過ごした方がいいのでは?

前々からぼんやりとは思っていたけど、

この手紙を貰って気持ちが大きく変わったことを感じたことを覚えています。

 

・自分の心を鍛えてくれるもの

・年齢や体格差がないもの

・すぐに始めれるもの

・そして、何より自分が興味があるもの

 

色々考えて、

訪れたのが高田馬場駅前のビリヤード場、『山水ビリヤード』でした。

 

カララーンとドアを開けてると、

「いらっしゃい」と緑のエプロンをかけた店員さんが声をかけてくれました。

 

まだらに染まった汚い茶髪のボサボサ頭の、

若い男がキューを片手に立っています。

その店員が雄大だったんです。

 

*****

 

「もちろん!

てか、旅に出る直前は色々すまんかったな。熱くなりすぎてたわ。まー今も冷めてないけど笑」

 

「じゃー、残務片付き次第、行こうかなー。

何か用意しといた方がいいものとかある? 外貨の口座?海外で使える電話?」

 

 

雄大は適当なところがあるから、来るか来ないか分からないですが。

旧友からの連絡が来るのは嬉しいことですね。

 

雄大には、

僕がビリヤードにハマる時と、

会社を辞める時、

 

人生の2つの転機によく話をしたし、世話になった奴です。

感謝しています。

 

メールを貰って、

久しぶりに奴と酒を飲みたいなと思いました。

 

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