アンヘレスからマニラに帰ってきました。

そして、

不幸にも、今日強盗に遭いました。

 

住んでいるところはとても安全なところで、そばのスーパーまで歩いて5分。

今日はTシャツを買おうとスーパーのまわりの露天を散策していました。

 

危険な場所にいくのは嫌なので、割と人通りのいいところばかりです。

身なりもヨレヨレのTシャツにサンダル。

 

散策して30分ほど経ったころ、男の2人組が声をかけてきました。

歳は25〜30くらい。無視して店をのぞいていると、話しかけるのをやめて前方へ歩いていきました。

 

しばらく歩いていると、どこかで追い越したのか、先ほどの二人組が後ろから肩に腕を回してきました。

やばいと思った僕は、振りほどこうとしますが、いきなり殴られてポケットをまさぐられてしまいます。

ポケットには財布とiPhoneが。

 

１人が僕のiPhoneを奪い走り去っていき、もう１人は姿を消しました。

（財布は盗りにくかったのか、無事でした）

僕は、iPhoneを奪った１人を追いかけることにしました。

 

その時の僕はなぜかとても冷静でした。

＊自分は海外保険に入っているから補償はききそう。

＊iPhone内の情報は全て同期してあるので、データの復元はできる。

＊相手が複数なら諦めよう。

＊相手が武器を持っていたら逃げよう。

＊相手が人通りの少ない裏路地の方に逃げたら諦めよう。

 

事前にこのあたりは十分に歩いていたので、土地勘はあります。

運良く相手が大通りの方に逃げていったので、諦めずに追うことができました。

逃げるにしても、帰宅するにしても、向かう先が強盗が逃げた大通り方面だったからです。

（普通は追いません笑）

 

自分はサンダルで大変走りにくかったですが、相手もなぜかサンダル。

＊特に準備のない、突発的な強盗なのでは？

 

「Help!  Help me! He got my phone!!」 とか、正しいのか正しくないのかわからない英語を叫びながら追いかけますが、

みんなキョトンとしていて誰も助けてくれません。

 

すげー薄情！フィリピン人！

とか思いながら、なおも追い続けます。

 

そんな時、あるおじさんが「ナカウ!?」と大きな声でこちらに声をかけてきました。

ナカウ、、、!?

ナカウって聞いたことがあるぞ、、、!?

 

ナカウ！？

そこで僕は思い出しました。 ポーカーで、大した手が無いのにポットをスティールすることを「スティーリング ザ ポット（ポットを盗む）」と言うのですが、

仲良くなったフィリピン人の友達が「タガログ語で〝盗む〟は〝ナカウ〟っていうんだよ」と教えてくれたことがあったのです。

（それからは、ポットをスティールにいくたびに、「ナカウ！ナカウ！」ってからかってくるようになりましたが笑）

 

そうだ、ナカウだ！

と思った僕は、 「シャ ナカウ！」「シャ ナカウ！」と繰り返し叫びました。

（〝シャ〟は〝彼・彼女〟の意味）

 

そのおかげか、

停まっていたバイクタクシーの（なぜか上半身裸の）おっちゃんが泥棒を抑えてくれて、無事に捕まえることができました。

iPhoneも手元に戻りました！

 

iPhoneは盗品市場で人気があるようです。

知り合いの日本人も盗られていました。彼の物は戻ってきませんでした。

 

しかし、

一度も財布もiPhoneも出していないのに、外国人ってだけで狙われるのでしょうか。

 

結局、1キロメートルくらい走りました。すっごい疲れた。

普段ポーカーしかしてないので、久しぶりに息を切らして走って、心臓バクバクでした。

 

ふーーー

まー、何にせよ良かった。

ナカウを教えてくれた友達に一杯おごらないと。